J-MDMは、ビジネスの基盤になるマスターデータ管理ソリューションの純国産MDMパッケージです。
社会の時流や事業環境が刻一刻と変化するなか、企業は柔軟かつ迅速に対応できるマスター基盤の構築が求められています。
業界・業種問わず、さまざまな導入実績を誇る「J-MDM」の裏側について迫る連載企画の第4回は「研修メニュー」。
J-MDM導入における研修のバリエーションや、求められるニーズについて、株式会社JSOLの小野智士、都久井達哉に話を聞きました。
座学+ハンズオン形式でJ-MDMを体系的に学べる4日間の研修
── J-MDMの研修メニューで提供している内容について教えてください。
小野:研修メニューのバリエーションは「開発基礎編」、「標準開発編」、「カスタマイズ開発編」の3つをご用意しております。
開発基礎編はJ-MDMの概要やアーキテクチャ、機能の説明を体系的かつ網羅的に理解いただく座学形式の研修です。J-MDMの導入を検討しているIT担当者のほか、J-MDMの製品理解を深める目的でPMやプロジェクトリーダー、開発者、ベンダーなど幅広い層のお客様に参加いただいているのが特徴です。
次の標準開発編は、受講者が実際に手を動かしながら、J-MDM製品の使い勝手や機能を理解いただくハンズオン形式の研修を提供していて、ノーコーディングでの開発手法を習得いただける内容になっています。
そしてカスタマイズ開発編は、開発者を対象としたコーディング開発の研修で、「座学形式」と「ハンズオン形式」の2つを準備しております。
実際のカスタマイズの事例を交えながら、J-MDMを自社の状況に合わせてカスタマイズしていく際のポイントや留意点をお伝えしています。
── 研修に求められるニーズはどのようなものがありますか?
都久井:マスターデータ管理ソリューションをSIしていくなかで、以前からJ-MDMに関する基本的な機能やカスタマイズの仕方は、顧客側のベンダーへ説明していました。
そんななか、より広くJ-MDMの魅力や特長を知ってもらうために、今まで蓄積してきたノウハウの体系化やドキュメント化を行い、2022年から研修メニューとして提供しています。実際に受講されるお客様のニーズとしては、J-MDMの概要を理解して導入の見立てを立てたり、利用イメージを掴んだりといったもののほか、「MDM導入はベンダーに依頼したが、保守運用は自社で内製化したい」というニーズから研修に参加されるケースもあります。
内製できるところは内製化し、スキルトランスファー化による属人化の抑制や生産性の向上につなげていく目的で、J-MDMでできることをキャッチアップしたいと考えるお客様も多くいらっしゃいますね。
研修を受講することでMDM導入時の不安解消につながる
── 研修形態や研修期間などの詳細を教えてください。
小野:JSOLの担当者が講師を務め、座学やハンズオン形式による最大4日の研修期間を設けていますが、どちらか一方を選択して頂くことも可能です。
標準開発編とカスタマイズ開発編の研修を受講する場合には、J-MDMのミドルウェアであるintra₋martやJava、JavaScriptの知識を持っておくと、より理解しやすくなります。
── 受講することで得られるメリットやスキルはどのようなものでしょうか。
小野:弊社が実施する研修を受講すれば、J-MDMの仕組みや機能を網羅的に学べ、J-MDMを自社のマスターデータ管理に活かしていくための解像度を高められると思います。
都久井:加えて、J-MDMにおける開発の手法を研修で学ぶことで、ノーコーディングで実装できる範囲を理解でき、「自社でカスタマイズが必要か否か」を適切に判断できるようになります。
MDMを導入し、マスター管理の要件定義に落とし込んでいく際、標準機能だけでいいのか。あるいはカスタマイズが必要なのかを事前に理解しておけば、工数や費用見積もりの目処を立てやすく、ベンダーへ的確に提案しやすくなるでしょう。
また、研修内ではお客様の実プロジェクトに関連するようなQ&Aの回答や、ユースケースの説明を行っていますので、研修で得た知識やノウハウを、進行中のプロジェクトへ応用できるのも研修を受講する利点と言えます。
── 研修に参加した受講者からは、どのような評価を得られていますか。
小野:毎回、研修時にはお客さまアンケートを実施しているのですが、「製品理解が深まった」「別の担当者にも受けさせたい」などのコメントをいただいております。アンケート集計のほか、研修中に出てきた質問などを溜め込み、その結果をもとにさらなるブラッシュアップを重ねています。
また、J-MDMは年2回バージョンアップを図る製品ですので、そのタイミングに合わせて、研修資料を改訂し、お客さまが最新の情報をキャッチアップできるように心がけています。
都久井:やはりMDM導入には不安が残るため、研修を受講したお客さまからは「悩みや懸念を払拭できた」というお声をいただくことが多いですね。
マスター管理業務において、どこまで標準化できるのか、どこからカスタマイズ開発が必要なのかを理解しておけば、後で手戻りが発生することもなく、プロジェクトの円滑化にもつながるわけです。
eラーニングの導入やFAQの充実を図っていきたい
── 最後に今後見据えている展望があれば教えてください。
小野:MDM導入のプロ集団として、今後もマスター管理者向けに質の高い研修を提供できるように尽力していきたいと考えています。
現在はJ-MDMの概要や製品の使い方、開発の手法などを中心とした研修メニューを展開していますが、お客様の実プロジェクトに関連する要件定義やマスター設計の範囲にも研修コンテンツを広げられたらと思っています。そうすることで、お客さまにおけるマスター管理業務の効率化や生産性の向上に寄与できますし、さらに研修コンテンツをeラーニングのような動画形式で提供すれば、お客さま自身でJ-MDMを使いこなせるようになります。
都久井:現状としてお客さまがJ-MDMに関する質問をする場合、基本的にはベンダーに問い合わせる形で、それでも解決しない場合は弊社で対応しています。こうしたなか、実ユーザー向けのマニュアル(手順書)や動画コンテンツを用意できれば、お客さまのセルフオンボーディングを促進し、MDM導入における不安の解消や、MDMの扱い方を理解するコストの削減に貢献できると考えています。
あとはJ-MDMに関するFAQも充実させていきたいですね。
J-MDMでできるマスター管理や、ソリューションとしての特長や強みを、より広く、オープンに伝えていければと思います。