データ活用データ管理

(前編)AIデータクラウド『Snowflake』が提供する、データ利活用基盤の柔軟な運用


Snowflakeの柔軟性がもたらす、データ利活用基盤運用の最適化

ーーまずはSnowflakeの特徴について教えていただけますか?

Snowflakeは、従来のオンプレミス型(サーバを購入して自社に設置する運用方法)のデータベースとは異なり、クラウドサービスとして提供されているデータ利活用基盤です。データ利活用基盤とは、企業内のさまざまなデータを収集し、横串で加工・分析することを得意とするシステムです。
Snowflakeの特徴の1つとして挙げられるのが、使用量(ストレージと処理)に応じた従量課金制を採用している点です。使った分だけの料金が発生するため、無駄なコストを抑えられます。

オンプレミス型の場合、将来的なデータ量の増加を見越して、あらかじめ大きな容量のデータベースの用意が必要です。しかし、実際には想定したほどデータ量が増えなかったり、逆に想定以上に増えてしまったりと、コストの無駄や容量不足といった問題が起こり得ます。Snowflakeなら、そうした心配をする必要がありません。

ーーデータ量に合わせて柔軟にスケールできるのは、コスト面でも管理面でもメリットがありそうですね。

はい、Snowflakeはデータ量の増加に非常に柔軟に対応できます。オンプレミス型では、データ量の増加に伴うハードウェアの増設などに手間とコストがかかるうえ、ITインフラに関する専門知識を持つ人材の確保も必要です。

Snowflakeでは、ストレージが無制限で使用できるため、データ量の増加に伴う作業が不要となり、管理者の負担を大幅に減らせます。

また、処理量の変化に対しても、目的に沿ったコンピュート(データ処理を行うCPUやメモリなど)を割り当てることで、柔軟な対応が可能です。「重たい処理は高スペックのコンピュート」「軽い処理は低スペックのコンピュート」といった形でコンピュートのスペックを変更することで、処理速度の最適化が図れます。この点も、Snowflakeのメリットの一つです。

ーーSnowflakeはどのようなシステムでも運用を最適化できるのでしょうか?

Snowflakeはデータ分析に特化したプラットフォームであるため、業務システムのようなデータ更新が中心のシステムには適していません。

データ利活用基盤では、集約するデータの種類や分析の内容などを、構築・運用しながら徐々に固めていくケースが多く、高い柔軟性が求められます。柔軟性・拡張性の高いクラウドの利用や利用無制限のストレージなど、データ利活用基盤を構築・運用するために最適な仕組みを採用しているのがSnowflakeです。

そのため、業務システムのデータベースなど、他の用途として利用する場合は、Snowflakeの特性を100%発揮できない可能性があります。

Snowflakeは、データ利活用基盤の特性に合わせて最適化しているからこそ、コスト面や運用面で優れたパフォーマンスを発揮できるのです。

Snowflakeで始めるスモールスタート:迅速な導入と柔軟なスケーリング

ーーSnowflakeの導入は運用面でのメリットがあるとのことでしたが、ユーザにとってのメリットは他にもありますか?


はい、Snowflakeには、初期の環境構築が簡単にできるというメリットもあります。

データ利活用基盤を構築する際、クラウド型のサービスを利用することで、サーバの調達やOSのインストールといった、初期の環境構築に必要な作業を大幅に簡略化できます。

それだけだと、AzureやAWSなどのPaaSプラットフォーム上にデータ利活用基盤を構築するのとあまり変わらないと思うかもしれません。ですがSnowflakeには「すぐにデータベースとして利用できる環境が提供される」という特徴があります。

よく使われるデータベースとして「SQL Server」や「Oracle」が有名ですが、これらをインストールするには専門知識が必要なため、環境の構築に時間がかかってしまう可能性があります。

Snowflakeは、データ利活用基盤を構築するために最低限必要な環境が最初から備わっているため、非常にスピーディーな環境構築が可能です。

またSnowflakeであれば、データベースの容量と連動してストレージの空き領域も自動拡張でされるため、運用の手間がかからない点もメリットです。

ーー初期の環境構築にかかる工数を大幅に削減できるのは大きなメリットですね。環境の構築後についてはどのような効果が期待できるのでしょうか。

Snowflakeの導入後は、先程もお伝えしたように、従量課金制によるコストの最適化や、ストレージの自動拡張による運用担当者の手間の削減が大きなメリットです。

もう少し詳しくご説明すると、Snowflakeの利用料金は主に「保存するデータ量」と「処理量(コンピュートのスペック×処理時間)」の2つで決まります。

コンピュートのスペックを上げればその分だけ高額になるように思うかもしれませんが、実はそういうわけでもありません。処理速度を上げることで処理時間が短縮されるため、必ずしもコンピュートのスペックを上げることが高コストにつながるわけではないのです。仮にコンピュートのスペックを2倍にすることで処理時間が半分になったとしたら、料金は変わらずに性能を2倍にできます。

このように処理の重さに合わせてスペックを最適に調整できるため「処理が遅いけれど料金を抑えるために我慢する」といったことが起こりにくく、ユーザが快適にシステムを利用できます。

もう一つのメリットは、従量課金制であることから、小規模な利用から始められる点です。

データ利活用基盤は初期段階で要件を明確にするのが難しく、使いながら改善を繰り返して理想に近づけていくケースが多い傾向があります。そのため、いきなり完成を目指すのではなく、小規模なシステムから始めて徐々に規模を拡大していく進め方が望ましいです。

コストを抑えてスモールスタートしつつ、後のリソース追加に柔軟に対応できる点も、Snowflakeがデータ利活用基盤に適している理由の一つです。

従量課金イメージ

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バラバラに分散したデータを集約!Snowflakeで強化する企業の競争力

ーーSnowflakeはスモールスタートに適しているとのことですが、具体的にはどのように導入を進めていくのでしょうか?

データ利活用基盤を導入する際は「アジャイル型」と呼ばれる、短いスパンで開発とリリースを繰り返す開発手法が非常に有効です。Snowflakeは、このアジャイル型の開発を行うのに非常に適しています。

アジャイル型以外の主要な開発方法に「ウォーターフォール型」というものがあります。ウォーターフォール型は、最初に要件を固めたうえで、具体化・詳細化しながら進めていく開発手法です。

データ利活用基盤の場合は、プロジェクトを進めながら徐々に要件(どのようなデータを集めるのか、集めたデータをどのように分析・活用するのかなど)が固まってくるケースが多くなります。そのため、最初に要件を固めるウォーターフォール型よりも、変更を何度も繰り返していくアジャイル型の方が、データ利活用基盤に向いているのです。

運用を始めて実際に使ってみると、少し違った分析軸が欲しかったり、集計範囲を広げたくなったり、新たな気付きが見つかったりすることもあります。そのため、まずはスモールスタートで実際に使える環境を早く提供し、改善をしながら徐々に拡大していくのが、データ利活用基盤の導入を成功させるためのポイントです。

こういった点が、環境構築の容易さや柔軟性の高さを持つSnowflakeが、データ利活用基盤に最適である理由だといえます。

ーーSnowflakeがデータ利活用基盤の構築に最適であることがよく分かりました。では、Snowflakeは全てのお客様にもメリットがあるということでしょうか?

そうとも言い切れません。従量課金制ですので、予算を完全に固定したいというお客様には不向きかもしれません。

ただ、Snowflakeには使用料金に上限を設定したり、一定の利用量に達した際にアラートを発したりする機能も備わっているため、予算を大幅に超えないようにコントロールすることは可能です。

ーー従量課金制のメリットを活かしつつ、コスト増加を抑制する仕組みも備わっているのですね。ではSnowflakeの導入が、お客様のビジネスに対してはどのようなインパクトを与えるのか教えていただけますか。

Snowflakeの導入により、これまでバラバラに管理されていたデータを一元的に集約できるようになります。これにより、部門を横断したデータ分析が可能となり、より戦略的な意思決定を行える環境が整います。

そもそも、なぜデータがバラバラに管理されているかというと、企業が業務をデジタル化する際、たいていの場合は部門ごとに閉じて行われるためです。部門の業務はその部門の所属メンバーにしか分からないため、部門単位でデジタル化を進めることが多くなるのです。その結果、部門専用のデータベースがいくつもできあがり、企業単位で見るとデータが分散して管理されている状況になってしまいます。

バラバラだったデータを一元的に集約して分析を行うことで、今まで見えなかった事実が見えるようになり、経営判断の質を高められます。

例えば「見積原価を計算するシステム」と「実際原価を計算するシステム」が別々のシステムになっているお客様の場合、見積原価と実際原価の差異を分析しようとすると、それぞれのシステムからデータを抽出してこないといけません。ですが、データを一箇所に集めておけば、必要なときに素早く原価差異分析を行えるようになります。

このように、データ利活用基盤の導入は社内の意思決定のスピードと質を高め、業務の効率化や既存ビジネスの強化、新しいビジネスモデルの創出などにつながるような効果が期待できます。Snowflakeは、企業が競合他社との差別化を図り市場での競争力を高めるために、重要な役割を担うツールだと考えています。

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