IoTデータを活用する!IoTのクラウドとの付き合い方

IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の活用が進んでいます。
従来、インターネットに接続される機器はコンピュータだけでした。ところが、IoTの普及により、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末、テレビやスマートスピーカーなどのデジタル家電がインターネットに接続されるようになり、インターネットを介して相互に様々なデータが交換されるようになりました。その結果、外出中にスマートフォンを使用して、IoT化されたエアコンを操作して帰宅時の室内温度を快適な温度になるように設定したり、外出先からWEBカメラを通じて室内の様子をスマートフォンで確認することが出来るようになりました。

では、このIoTを製造業の工場に適用すると、どのようなことが可能になるでしょうか?
工場にはプレス機や溶接ロボットなどの様々な生産設備が配置されています。また、生産設備を制御するためのPLC機器や生産ラインの状態を捕捉するためのセンサー類なども設置されています。工場のIoT化では、このような工場の様々な機器をネットワークに接続することによって、センサーやPLC機器から収集したデータを一箇所に集約してデータベースに一元管理します。そして、データベースに蓄積されたデータをさまざまに分析することで、生産ラインの問題点や生産設備の最適な稼動条件を知ることができます。

IoTデータとは?

IoT(Internet of Things)機器から収集されるデータにはどのようなものがあるのでしょうか?
工場から収集されるIoTデータには、PLCから取得した生産設備の制御PLCデータ、センサーを使って取得した製造条件データ、外観検査のためにカメラで撮影した検査画像データ、形状検査のために三次元測定機や3Dスキャナーで計測した3次元形状の点群データなどがあります。

IoTデータの例

IoT技術により、従来は事前の設定に基づいて動作するだけであった生産設備が、ネットワークを通じてインターネットに接続されるようになります。また、従来は、工場に配置されている担当員の五感やKKDに頼ってきた生産設備や生産品の状態を、センサーを通じてデータ化することができるようになります。そのため、工場のIoT化によって収集されるデータは、従来よりも格段に増大することになり、まさにビッグデータとなります。
では、工場のIoT化によって収集されるデータ(IoTデータ)には、どのようなデータがあるのかを見ていきましょう。

センサーデータ
温度センサー,圧力センサー,振動センサーなどのセンサーによって取得されるデータ

計測データ
WEBカメラやサーモカメラおよび3Dスキャン装置など、測機器によって取得される外観や表面温度および3D形状などのデータ

製造条件
荷重,加圧,トルク,充填速度,電圧/電流値など、生産設備の動作条件

IoTデータの特長

IoTデータは、SFA,PLM,CRM及びERPシステムで扱うような単純なテキストデータだけではありません。カメラで撮影した画像データや、3Dスキャンで作成した三次元形状の点群データも含まれます。そのため、従来システムでよく使用される「RDB(リレーショナルデータベース)」には保存しにくいという側面があります(保存できないわけではありません)。

次に、IoTデータには「正解」がないことも難しいところです。IoTデータは、収集して・保存して・蓄積するだけでは意味がなく、蓄積したデータを使って「何を改善するのか?」が重要です。ところが、IoTデータをどのように活用できるのか、はじめから分かっていることは少なく、手探りでデータを収集・保存・蓄積していくことになります。そして、IoTを推進していく中で、徐々に「どのように活用すれば効果的なのか?」が分かってくることが多く、その都度、収集したいデータは変わってきます。また、同じデータでも必要なデータ量が徐々に分かってきて、収集・保存するデータ量が変わったりもします(例えば、圧力データの収集頻度を10秒に1回から60秒に1回に変更するなど)。製造業においては、取り扱う製品が増えたり、製品のモデルチェンジが行われるたびに生産ラインは変わるため、その度に工場のIoT化は変化を伴うことになります。そのため、IoTデータも時間の経過とともに”常に変化する”と言えます。

IoTデータの特徴
・テキストデータとは限らない、取り込むデータの形式やフォーマットはさまざま
・IoTを推進する過程で、収集するデータの種類が増えたり減ったりする
・蓄積するデータ量を予測できない(ストレージの容量を決定できない)

IoTデータの保存先

『IoTデータとは?』の説明の中で、IoTデータには「データ量が膨大になる」「収集したいデータの種類は変わる」「蓄積するデータ量は予測できない」という特徴があることを説明しました。そのため、IoTデータの保存先となるデータベースには、スケーラビリティが非常に重要です。仮にオンプレミスのサーバーにデータを保存する場合、サーバー構築時に、サーバー機の導入から最初のリプレースまでの期間に蓄積されるデータ量を予測し、その予測されるデータ量の最大値を前提にサーバー・スペックを決める必要があります。これは、サーバー機のライフサイクルを5年と仮定した場合、途中でストレージが枯渇することのないように、5年先のデータ量を予測する必要があるということになります。また、サーバー機のライフサイクルの途中においても、常にストレージの空き容量をモニタリングし、もしストレージの枯渇が見込まれる場合には、その時点でのストレージの不足量を見積って素早く増強するなどの対策も必要です。
このようなことから、オンプレミスのサーバー・ストレージは、IoTデータの保存先として向いていないことが分かります。

クラウドのメリット

クラウドの最大のメリットは、アジリティとスケーラビリティです。アジリティとは「俊敏性」であり、クラウドはシステム基盤となるハードウェア/ソフトウェアが必要となった時に、クラウド事業者との契約完了後、すぐに構築することができます。また、スケーラビリティとは「拡張性」であり、クラウドであればシステムが必要とする性能/容量が増大したり縮小したりする場合に、その変化に合わせて柔軟に性能/容量をスケールアップ/スケールダウンすることができます。

クラウドのこの特徴は、IoTデータの保存先として非常に魅力的です。IoTの取り組みを開始する際に、素早くIoT環境を構築することができます。また、収集・保存・蓄積するIoTデータが、取り組みの進展と共に変わってきた場合でも、そのストレージ容量を簡単に増やしたり減らしたりできるのです。これは、オンプレミスのサーバー・ストレージではできません。ハードウェア/ソフトウェアの手配・設置・構築には時間がかかりますし、構築以前に将来的に必要となるストレージ容量の緻密な計算が必要です。

クラウドの優位性
・[導入時]自社にサーバーを構築する                不要
・[導入時]例えば、5年先のデータ量を見積る              不要
・[運用時]ストレージの空き容量をモニタリングする         簡単
・[導入時]ストレージが枯渇しそうな場合にストレージを増強する   簡単かつ早い

SaaS型データウェアハウス Snowflake

Snowflake は、IoTデータの蓄積・管理・活用に優れたSaaS型データウェアハウスであり、従来のオンプレミスの製品と比較してコストや運用負荷を低減するメリットがあります。
Snowflake には、保存・蓄積しているデータ量とデータ処理に対して割り当てたコンピュート数と処理時間で課金されるという特徴があります。この Snowflake の特徴は、IoTデータを保存・蓄積するストレージとしてメリットが大きいです。その理由は次のとおりです。

すぐに使える
Snowflake はSaaS型のデータウェアハウスであり、オンプレミスのように自社にサーバーを設置しデータベースを構築する必要はありません。契約が完了したその日から使い始めることが出来ます。また、Snowflakeは、構造データはもちろん、半構造データや非構造データにも対応しており、ストレージも無制限に利用可能なため、IoTデータの特長であるさまざまな形式やフォーマットのあらゆるデータを保存・蓄積することができます。

データ量の細かい見積りは不要
Snowflake は従量課金であり、保存・蓄積するデータ量に応じて課金されます
そのため、IoTの取り組みの開始当初は、保存・蓄積するデータ量も少なく、安価にIoTを推進することができます。また、Snowflakeのストレージは、拡張作業をすることなく、無制限に利用することができるため、取り組み開始後に蓄積されるデータ量を細かく見積もる必要はありません。

処理量の見積りも不要
見積りが不要となるのは、データ量だけではありません。データの処理量についても同様です。
いくらデータの保管に優れていても、処理に時間がかかっては、使いものになりません。一般的に処理対象のデータ量が増えれば増えるほど、データの処理時間は長くなりますが、Snowflakeならば処理時間に対する心配もいりません。Snowflakeは、処理に割り当てるコンピュートを柔軟に変更することができたり、処理毎に別々のコンピュートを割り当てる並列処理も可能であるため、IoTの取り組み開始後、データ処理が事前の想定以上に時間がかかる場合でも、処理に割り当てるコンピュートを変更することで処理時間を短くすることができます。

データ量が増えたら、処理量が増えたら
IoTの取り組みを推進していく中で、ストレージに保存・蓄積するデータ量やデータの処理量は徐々に増えていきます。開始当初の想定以上に多くのデータを収集・保存・蓄積しなければならなくなったら、想定以上に複雑で時間のかかる処理が必要になったら、どうなるのでしょうか?通常のクラウドでは、確保するストレージのサイズも、処理に割り当てるCPU数も、事前に決められており、(簡単に設定で変更できるものの)割り当てるストレージサイズやCPU数を簡単に変えることはできません。

Snowflakeはデータ量や処理量の増加にも対応可能
Snowflake は、通常のクラウドとは違い、ストレージ・サイズを動的に変更することができるため、心配は不要です。蓄積するデータ量に合わせてストレージは自動的に拡張/解放されるため、無駄なくストレージを使うことができます。処理時間についても心配は不要です。データ量が2倍・3倍に増加しても、処理時間を長くしたくない場合、処理に割り当てるコンピュート数を増やせば良いのです。この時、通常のクラウドとは違って、コストに対する不安がありません。通常のクラウドの場合、CPU数を増やすと利用料があがります。また、処理時間ではなくサーバーの起動時間に対して課金されます。しかし、Snowflake は処理量(コンピュート数×処理時間)で課金されるため、処理に割り当てるコンピュートを増強すると処理時間が短くなるため、全体として発生するコストはあまり変わらないのです。すなわち、必要なときに必要なコンピュート数をオンデマンドに割り当てることで、データ量の増加に伴う処理時間の増加とコストの増大のバランスを保つことができるのです。

柔軟性と拡張性、ニアゼロメンテナンス
IoTの取り組みの開始当初は、収集するデータの種類も、保存するデータ量も、データを蓄積し続ける期間も分からないことが多いものの、取り組みを推進するうちに、収集・保存・蓄積すべきデータの種類や量を絞り込むことができるようになります。クラウドであれば、クラウドが提供する膨大なリソース(ストレージやコンピュート)を自由に使用することが出来ます。通常のクラウドの場合、多くは事前の設定変更が必要ですが、Snowflakeであれば、設定変更で簡単に対応できます。ストレージにおいてもコンピュートにおいても、利用量に関する制限はなく、また面倒な拡張作業をすることなく、クラウドが提供する膨大なリソースを自由に無制限に利用できます。そのため、将来におけるデータ種別の追加や保管データ量の増加においても、柔軟に対応することができるのです。

図1. クラウドとSnowflake の優位性:アジリティ(俊敏性)

図2. クラウドとSnowflake の優位性:スケーラビリティ(拡張性)

まとめ

製造業におけるIoTの推進は、スマート工場の実現と切っても切り離せないものであり、まさに製造業DXそのものであると言えます。そして、工場のIoT化においては、クラウドの活用は非常に重要です。現在、さまざまなベンダーからさまざまなクラウドサービスが提供されていますが、中でも SaaS型データウェアハウス(データクラウド)である Snowflake が IoTデータの保存先としての適性があることを説明しました。IoTの取り組みは 、最初から高い目標を設定して強度を上げて活動するよりも、トライ&エラーを許容しながら段階的にデータの活用度を上げて行く方が適しているでしょう。そのためにも、取組開始時点から大掛かりな環境の構築を必要としないクラウド、それも Snowflake の活用をご検討ください。

推奨するIoTに取り組むときの考え方
1. まずやってみる:IoTで「何ができるか?」は、やってみないと分からない
2. 準備は最小限に:これを可能にするのはクラウド。クラウドならば、すぐに始められてすぐにやめられる(スモールスタートが可能)
3. 費用も運用も最小限に:これを可能にするのは Snowfalke。ストレージの枯渇もコンピュートの不足も考えなくてよい

JSOLには、クラウドはもちろん、Snowflake でも数多くの導入実績があります。さらには、IoTデータの活用に対しても、設備の故障予知や生産品の品質コントロールに役立つ、シミュレーションを土台としたバーチャルセンサーでお客様の課題解決のお手伝いをいたします。