データ活用データ管理

(後編)【データ利活用基盤導入の落とし穴を回避】JSOLのコンサルティングとシステム開発の総合力が、プロジェクトを成功に導く

更新日:2024/12/06

業界知識×システム導入経験!JSOLだからできるデータ利活用基盤の要件定義

ーーデータ利活用基盤の導入では、要件の定義が難しいとお聞きしましたが、要件を明確化するためにJSOLが意識していることはありますか?

システム開発では要件定義が非常に重要なのですが、データ利活用基盤における要件定義は、業務システムとは違った難しさがあります。

業務システムの場合は、普段やっている業務をシステム化するわけなので、お客様の中で「このようにしたい」といったイメージがある程度できるケースが多いです。しかし、データ利活用の場合は今まで経験していないことをシステム化するため、お客様が明確なイメージを持つことが難しく、想定と違ったり機能が足りなかったりすることが起こりやすくなります。かといって、変更の要望全てに対応していると、いつまでもプロジェクトは進みません。

そのため、データ利活用基盤の要件定義では、後から変更が起こり得ることも想定しつつ、お客様と一緒に優先順位を整理しながらシステムを完成に導くマネジメント力が求められます。この辺りが、業務システムの導入とは違った難しさです。

JSOLでは、お客様にとって本当に必要な要件を見つけ出すために、単に要望を聞くだけではなく、お客様と一緒になって真の要件を探ることを心がけています。

お客様とともに要件を導き出すには、お客様の業務を理解しておくことが非常に重要です。JSOLは多くのお客様にシステムを導入してきた経験から、社内に業界特有の知見が蓄積されており、この知見を活かしてお客様に分析の方法をご提案します。

もちろんお客様によってやりたいことは違いますが、業界が同じであれば、共通した慣例、商習慣、取引が存在します。業界に特化した分析ポイントや着目点をJSOLから提示することにより、お客様が気づかれていなかったポイントを提案し、お客様の真の要件に対応することが可能となります。

JSOLは多くの業界で実績を有していますが、特に強い業界としては、医薬品を筆頭に食品・消費財・化学・組立製造業があります。

ーー豊富なシステム導入経験が、JSOLがお客様を強力にサポートできる理由なのですね。具体的には業界の知識がどのように活かされるのでしょうか?

例えば医薬業界は、特に薬事法やFDA(※1)などの規制が多いため、データ管理は非常にシビアでセンシティブです。

データの保持期間や履歴の残し方、データの管理方法などに対して厳密な規定があるため、このような規定を知っているかどうかが、要件定義をスムーズに進めるためのポイントになります。

医薬業界特有の規定に対する知識がなければ、お客様に規定の内容を聞くところから始めないといけないため、要件の検討に入るまでに多くの時間がかかってしまいます。医薬業界の知見が豊富なJSOLであれば、すぐに本質的な議論に入れるため、要件定義を進めるうえで非常に大きなアドバンテージになっていると考えています。

他にも、お客様の業務を理解していることで、ユーザ目線で最適な提案ができる点も強みです。

例えば、営業担当者の日頃の行動を把握することで効果的にデータを蓄積できますし、どのような情報が欲しいかを理解していることで最適な分析方法を提案できます。

※1 食品などさまざまな製品の安全性や有効性を証明し、国民の健康を守るためのアメリカの政府機関。アメリカで医薬品を販売するためにはFDAの承認が必要。

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顧客満足度を追求しつつコスト超過と納期遅延を防ぐ、JSOL流プロジェクトマネジメントの極意とは?

ーー要件定義の重要性とJSOLのサポート力の強さがよく分かりました。要件定義の後の工程では、どのような点がポイントになりますでしょうか?

要件定義と同様に重要なのが、定義した要件を実際のシステムとして具現化するための、高度なプロジェクトマネジメント力です。

データ利活用基盤導入のプロジェクトでは、要件定義の段階には想定していなかった機能の追加やスコープの変更が発生し、コストや納期に影響を与えてしまうケースがあります。中には想定外の要件が数多く見つかり、追加費用が必要になるケースもあります。

また、計画外の作業の発生によりプロジェクトの進行が遅延し、システムの完成が予定していた本番開始日に間に合わないケースも少なくありません。データ利活用基盤は、業務システムとは異なる特殊な要件が多いだけに、このようなリスクは常につきまとうのです。

JSOLは、コスト超過や納期遅延のリスクを未然に防ぐため、要件定義の段階から、コストと納期を意識したプロジェクトマネジメントを実践しています。

ーープロジェクトのマネジメントは要件定義の段階から始まっているのですね。プロジェクトマネジメントは、JSOLが得意としている領域なのでしょうか?

はい。「要件定義力」と「プロジェクトマネジメント力」の両方においてバリューを発揮できることが、JSOLの大きな強みだと考えています。

JSOLは長年にわたってプライムベンダーとしてシステム開発に携わってきた実績があり、その過程で培った経験とノウハウを活かし、プロジェクトのリスクを早期に発見し、適切な対処を行います。

プロジェクトマネジメントの経験が豊富であるからこそ、要件定義の段階で、プロジェクトの出口までを見据えた計画を立てられます。プロジェクトには想定外の事象やトラブルが発生することが常ですが、そういった問題を回避できるようにいかに先回りしてリスクを見通せるかが、腕の見せ所です。JSOLでは、豊富な経験をもとに洗い出されたリスクに事前に対策することや、蓄積されたノウハウを凝縮した「プロジェクトガイドライン」に沿ったシステム開発を行うなど、さまざまな取り組みを行っています。

このように、JSOLの経験とノウハウをフル活用することで、高い精度で「要件を実現するために要するコスト」と「納期遅延しないスケジュール」を計画することができていると考えています。

「コンサルティングとシステム開発の総合力」こそが、JSOLが手掛けるプロジェクトが高い成功率を誇る大きな理由だといえます。

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JSOL独自のテンプレートとツールが実現する、Snowflake導入の効率化

ーーJSOLでは、Snowflakeの導入をより効率的に進めるために、独自のテンプレートやツールを用意しているそうですね。

JSOLでは、これまでのSnowflake導入プロジェクトで得たノウハウを活かし、導入作業を効率化するためのテンプレートやツールを開発・提供しています。

Snowflakeに限らず、データ利活用基盤を運用するためには、データベースの設定やユーザ権限の管理など、さまざまな環境設定が必要です。

これらの作業を一から手作業で行うのは非常に手間がかかります。そこで、JSOLではよく使われる設定をテンプレート化し、そのテンプレートをベースにお客様の要件に合わせてカスタマイズするという方法を取っています。

テンプレートを活用すれば、ゼロから設定を行うよりも格段に作業効率が上がります。また、手作業によるミスのリスクも大幅に減らせる点もメリットです。

ーーSnowflakeの導入作業を効率化するために、独自の工夫をしているのですね。テンプレートを活用して環境を構築する際に、何か意識しているポイントはありますか?

JSOLでは、単にテンプレートを提供するだけではなく、お客様の要件に合わせたきめ細やかなサポートを提供しています。

例えば、データ利活用基盤を構築する際に頭を悩ませる課題として、データのアクセス権限の設定があります。

データベースには「テーブル」と呼ばれるデータを格納するための箱があり、売上情報・仕入情報・顧客情報など、データの種類ごとにテーブルが作られます。このテーブルは、各部署のシステムから集約したものであるため、テーブルによってアクセスできる人が異なります。

そのため、各テーブルにアクセス権限を付与する必要があるのですが「このテーブルはAさんとBさんがアクセスできて、このテーブルは・・・」といった形で細かく設定していくと、作業が膨大になりメンテナンスも大変になってしまいます。

そういった問題を解決するために、複数のテーブルを束ね、まとめて同じ設定を入れていくことが一般的です。ですが、どのような単位でテーブルを束ねるのか、またはテーブル個別に設定を入れるべきなのかを判断するのは意外と難しく、業務の知識とデータベースの知識の両方が求められます。

JSOLには多くのデータ利活用基盤を構築してきた経験と、医薬や化学など特定の業界における豊富な知識があるため、バランスのよい最適な設定の提案が可能です。このような経験とノウハウを活かしたサポートを行える点が、JSOLの強みだと考えています。

ーーテンプレート以外にも、運用フェーズで役立つツールがあるそうですね。

はい、日々の運用の中で頻繁に発生する、マスタデータの更新作業をサポートするツールも提供しています。

マスタデータとは、顧客・商品・ユーザなどの、システムのベースとなる基本情報のことです。例えば、商品の名前を毎回手入力していては手間がかかり入力ミスのリスクもあるため、マスタデータとして登録しておくことで、商品名をシステム内でいつでも利用できるようにします。

システムを運用するためにはマスタデータを常に最新の状態にする必要があるのですが、データベースの知識がないユーザにとって、マスタデータの更新は難しい作業です。そこで、管理者に分かりやすく入力しやすいフォーマットのExcelファイルと、そのファイルを簡単操作でアップロードしてマスタデータを更新できる機能をセットでお客様に提供しています。

また、マスタデータの更新には「守るべきルール」が存在するケースがあります。例えば「同じ値のデータが複数あってはいけない」「この項目は空欄にしてはいけない」などです。これらをDB制約と言います。JSOLの提供するツールにはDB制約をチェックする機能も備えており、お客様からご好評をいただいています。

ーー運用が楽になるツールがあるのは、お客様にとって大きなメリットですね。このようなツールの提供は、JSOL独自の取り組みなのでしょうか?

他社にも似たようなテンプレートやツールはあるのではないかと思います。ですが、JSOLはお客様の業務を深く理解しているからこそ、システム目線ではなく業務目線・ユーザ目線での仕組みを提供できており、これがJSOLのサポートが他社と大きく異なる点だと考えています。

JSOLは、過去のシステム構築プロジェクトの経験から「これができないと業務が回らない」ということをよく知っているため、お客様のかゆいところに手が届くサービスを提供できるのです。

まとめ

Snowflakeのスケーラビリティと柔軟性により、データ利活用基盤のコストを最適化しつつ、ビジネスの成長に合わせたスムーズな拡張が可能になります。

JSOLは、豊富な業界知識とシステム開発経験を活かしたサポートによって、お客様のデータ利活用基盤導入における課題や障壁を解消し、スムーズな導入と運用を実現します。

JSOLでは、Snowflakeの導入をご希望の企業様向けに、以下の導入支援サービスを行っています。導入をご検討される際は、お気軽にご相談ください。

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